「なめらかな生地」を、感覚だけでなく数値で比べてみました

KANKAKU FACTORYのKABIN-Tシャツは、縫い目やタグ、生地のざらつきなど、衣服が肌に触れる刺激をできるだけ少なくすることを目指して開発しました。
生地には、なめらかな肌ざわりが特長のスーピマコットン100%を使用。細い糸を高密度に編み、毛羽立ちを抑える加工を施しています。
しかし、「なめらかです!」と言葉で伝えるだけでは、その違いは分かりにくいものです。
そこで今回、KABIN-Tシャツに使用している生地と、比較用として用意した一般的な綿100%の天竺Tシャツ生地を、同じ条件で検査しました。
検査を行ったのは、第三者の繊維検査機関である一般財団法人カケンテストセンターです。
生地のなめらかさは、どうやって測るの?

今回行ったのは「KES表面特性試験」です。
KESは「Kawabata Evaluation System」の略で、人が布に触れたときに感じる風合いと関係する物理的な特性を、専用の測定機で数値化する方法です。
今回の試験では、接触子と呼ばれるセンサーを生地の表面に当て、2cmの範囲を移動させながら、生地表面の摩擦や凹凸を測定しました。
なめらかさを一つの数値だけで判断するのではなく、次の3つの指標から確認します。
MIU
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センサーを生地の上で滑らせたときに、どのくらい抵抗が生じるかを表しています。 数値が大きいほど滑りにくく、数値が小さいほど滑りやすい表面です。 |
MMD
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生地の上をセンサーが移動したときに、摩擦の強さがどの程度変化したかを表します。 数値が大きいと、滑る部分と引っかかる部分の差が大きくなります。数値が小さいほど摩擦が均一で、滑らかな表面と考えられます |
SMD
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生地表面の細かな凹凸や、そのばらつきをマイクロメートル単位で測定します。 数値が小さいほど、表面の凹凸が小さく、平滑な生地であることを示します |
試験結果を比較しました

縦方向と横方向の測定結果を平均し、2つの生地を比較しました。
生地は両方ともに黒としました。(感覚過敏研究所の所長・加藤の手触りの感覚では、黒の染料は他の色より硬くなるという評価をしています。そのため、比較検討の色を統一しました)
| 検査項目 | KANKAKU FACTORY の生地 |
比較生地A・天竺 |
|---|---|---|
| MIU・平均摩擦係数(平均) |
0.120 | 0.195 |
| MMD・摩擦係数の変動(平均) | 0.0078 | 0.0088 |
| SMD・表面の凹凸(平均) | 2.825μm | 3.949μm |
今回測定した3つの指標は、いずれもKANKAKU FACTORYの生地のほうが低い数値となりました。(つまり、なめらか!)
1.肌の上で引っかかりにくい表面(MIU・平均摩擦係数から)
表面の滑りやすさを示すMIUは、KANKAKU FACTORYの生地が0.120、比較生地Aが0.195でした。
KANKAKU FACTORYの生地は、比較生地Aより平均摩擦係数が約38.5%低い結果です。
試験上は、比較した天竺生地よりもセンサーが滑りやすく、表面の摩擦抵抗が小さかったことを示しています。
衣服が肌に触れたり、体の動きに合わせて生地が動いたりしたときに、引っかかりを感じにくい表面特性であると考えられます。
2.触れたときの摩擦のムラが少ない
摩擦の変動を示すMMDは、KANKAKU FACTORYの生地が0.0078、比較生地Aが0.0088でした。
縦方向と横方向を合わせた平均値では、KANKAKU FACTORYの生地のほうが約11.4%低く、摩擦のムラが少ない結果となりました。
生地の上をなぞったときに、急に引っかかったり、滑り方が変わったりする度合いが、全体として小さかったことを示しています。
3.表面の凹凸も小さい
表面の凹凸を示すSMDは、KANKAKU FACTORYの生地が2.825μm、比較生地Aが3.949μmでした。
KANKAKU FACTORYの生地は、比較生地Aより数値が約28.5%低い結果です。
さらに、縦方向と横方向のどちらを比較しても、KANKAKU FACTORYの生地のほうが低い数値でした。
つまり、比較した天竺生地よりも表面の凹凸が小さく、より平らに整った生地であることが確認されました。

比較した一般的な天竺Tシャツ生地は、どのような結果だった?

上記画像は比較生地AのTシャツの写真です。一般的なTシャツによく使われる綿100%の天竺生地です。(プリントTシャツで使用される、かなりメジャーなTシャツです)
試験結果は、MIUが0.195、MMDが0.0088、SMDが3.949μmでした。
KANKAKU FACTORYの生地と比較すると、表面を滑らせたときの抵抗が大きく、表面の凹凸も大きい結果です。そのため、今回の2つの生地の比較では、天竺生地のほうが相対的に表面の引っかかりや凹凸を感じやすい特性だったと考えられます。
ただし、これは天竺生地の品質が悪いという意味ではありません。
天竺生地には、軽く、やわらかく、一般的なTシャツとして使いやすいという特長があります。今回はあくまでも、肌に触れたときの表面の滑りやすさや凹凸に注目して比較しています。
3つの数値から確認できた「なめらかさ」
今回の試験では、KANKAKU FACTORYのTシャツの生地は、比較に使用した一般的な天竺Tシャツ生地よりも、
- 表面の摩擦が小さい
- 摩擦のムラが、平均値では少ない
- 表面の凹凸が小さい
という結果になりました。
つまり、今回比較した2つの生地の中では、KANKAKU FACTORYの生地のほうが「滑りやすく、凹凸が小さい、滑らかな表面」であることが、数値からも確認できました。
KABIN-Tシャツに使用している生地は、スーピマコットンを使い、細い糸を高密度に編み立て、毛羽立ちを抑えて表面をフラットに仕上げています。
今回の試験は、素材や編み方、加工方法のどれが結果に影響したのかを個別に調べたものではありません。しかし、それらを組み合わせた完成生地として、一般的な天竺生地よりも滑らかな表面特性が確認されました。
KANKAKU FACTORYの生地はどうやって選んでいるのか?

KANKAKU FACTORYで採用する生地は、感覚過敏研究所の所長・加藤路瑛が大量の生地を実際に触って選定しています。当初は感覚で選んでいましたが、現在では選ぶ生地に一定の傾向があります。
①生地に毛羽立ちがないこと
綿の生地はよく見ると表面に毛羽立ちがあります。これが多いとなめらかさが落ちます。シルケット加工など毛羽をなくした加工があるコットンを好みます。
②生地の裏表が同じ編み方であること
ニット生地の中には裏と表の編み方が違うものがあります。表生地は肌触りがいいのに、肌に触れる裏側の生地はざらつきがある場合があります。
今回、比較検討用に使用した Tシャツは天竺です。天竺は裏表で編み方が違い、肌触りも違います。裏はもっとザラつきを感じます。KESの検査では、表生地を評価しています。裏生地でやると、また結果の差が開いていたと思います。
この2つが大きな特徴です。他にも生地の水分量や硬さなどの要素も影響します。
これらの所長による感覚を、客観的な検査数値で見てみたのが今回の試験です。
感覚への配慮を、縫製と生地の両方から
KABIN-Tシャツでは、生地のなめらかさだけでなく、衣服の内側にある刺激にも配慮しています。
- 縫い目を外側に配置する
- 首元のタグをなくす
- 肩や脇に縫い目が触れにくいよう、縫製位置を工夫する
- 毛羽立ちを抑えた綿100%の生地を使用する
「なんとなく、なめらかに感じる」だけではなく、その背景にある表面の摩擦や凹凸を、客観的な数値でも確かめました。
もちろん、実際の着心地や刺激の感じ方には個人差があります。今回の試験結果だけで、すべての方が刺激を感じないことを保証するものではありません。
それでも、服のざらつきや引っかかりが気になる方にとって、生地を選ぶ際の一つの判断材料になればと考えています。
肌ざわりが自分に合うか心配な方には、ご購入前に確認できる生地サンプルや、ご自宅での試着サービスもご用意しています。
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【試験概要】
試験機関:一般財団法人ケケンテストセンター 中部事業所
試験内容:KES表面特性試験
測定項目:MIU、MMD、SMD
測定範囲:2cm
測定面:生地の表面
比較対象:一般的な綿100%天竺Tシャツ生地
※結果は、今回提出した2つの試験片を所定の条件で測定し、縦方向・横方向の数値を平均したものです。すべてのKABIN-Tシャツや、すべての天竺Tシャツに同じ結果が当てはまることを保証するものではありません。
※MMDは縦方向では比較生地Aのほうが低く、横方向ではKANKAKU FACTORYの生地のほうが低い結果でした。本文では、縦方向・横方向を合わせた平均値を比較しています。
【KES表面特性試験について】
KESは、人が感じる布の風合いと関係する物理的な特性を測定するシステムです。
参考:
